身体のバランスを整える専門家_勝どきカイロプラクティック

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2012年8月18日土曜日

脳は疲労とどのような関係があるか?


現在、スポーツ科学で大きな注目を集めているのは、疲労の原因は何かという問題です。以前、しきりに「悪者」扱いされていた乳酸への注目は薄れはじめ、精神面が持久力に限界を設けているという点についての研究がさかんに行われるようになっています。また、運動中の脇腹の痛みや、その後の筋肉痛や痙攣などの厄介な現象の原因も解明されはじめています。これらを理解しておくことは、運動する人にとってとても重要だといえます。

10キロ走や自転車競技などに参加して、体力の限界に近い状態でゴールした瞬間を思い浮かべてください。息は切れ、心臓は脈打ち、足の感覚は鈍くなっています。身体は火照り、大量の汗が噴き出しています。まるで、身体の燃料がゼロになってしまったようです。こうしたさまざまな現象はすべて、疲労の感覚と結びついています。では、あなたをこれ以上、速く、遠くに進めないようにしている真の「犯人」は何なのでしょうか?科学者はこれまで数十年にわたって、この問いへの答えを探求してきました。しかし、ここ数年で勢いを増している急進的な理論に従えば、その答えは存在しません。なぜなら、問題の立て方が間違っているからです。持久力の限界をテストする研究では、被験者がそれ以上走れなくなるまで(トレッドミルの上にいられなくなるまで)、少しずつトレッドミルのスピードを上げていきます。しかし、現実の競技ではそのような状況になることはありません。人聞は完走することを目指しながら、たえず無意識に速度を調整して走っているからです。トレッドミル上で限界まで速く走る実験では、10キロレースを最大限のスピードで走ろうとするときに何が限界を設けているかはわからないのです。見落とされているのは脳の役割です。南アフリカの研究者ティム・ノークは、運動の限界を規定するのは、足の痛みや心臓の鼓動、肺の収縮などではなく「中央制御室」、すなわち脳であるという考えを主張しています。

脳は、体温、血液内の酸素量、筋肉信号などのデータを体中から集め、過去の経験に基づいて、どれだけ長く運動を続けるべきかを総合的に判断するのです。脳は心臓や他の器官に被害が生じる前に、どの程度、筋肉を動かし続けるべきかを自動的に調節しているのです。ただし、疲労が想像の産物であるというわけではありません。当然、身体には物理的な限界があります。しかし、この「中央制御室」理論に従えば、脳はほとんどの場合、身体が限界に到達する前に運動をやめさせようとしていることになります。この現象をもっとも端的に表しているのが持久系スポーツのラストスパートです。これは、初心者でも世界記録保持者でも同じです。ほとんどの人は、それまでどれだけ辛く感じていたとしても、ゴールが目前に迫ってきたとたんにスピードを上げられるようになります。生理的には何の変化もないのに、フィニッシュラインが視界に入ったとたんに脳がスピードアップを許可するのです。逆に、高温の室内で被験者にエアロバイクのペダルを限界値までこがせると、涼しい室内と比べ、はじめのひとこぎの段階からパフォーマンスは落ちます。被験者は脳の働きにより、無意識のうちに暑い室内での激しい運動を避けようとしているのです。疲労の原因が「周辺機器」なのか「中央制御室」なのかというこの議論は、現在の運動生理学で論争の的になっている最大のテーマの一つです。最終的な結論は出ていませんが、以前と比べて、脳が疲労に関して大きな役割を担っているという認識が一般的になりつつあることは確かです。この脳の働きは無意識に進行するので、人は身体の限界を超えることを意識的には決められません。そして、それはおそらく良いことです。私たちにできることは、どの程度の運動なら危険を冒さずにおこなえるのかを、脳にゆっくりと教えていくことです。たとえば、レースと同じぺースでトレーニングをすると、フィットネスが向上するだけではなく、脳はそのぺースでの生理学的なフィードバックに慣れていきます。「中央制御室」のスイッチを切ることはできませんが、徐々にそれを調整していくことはできるのです。

【まとめ】
運動時に「限界」と感じる時点は、筋肉や心臓、肺の生理学的な限界ではなく、脳による潜在意識のプロセスであることを示す研究結果が増えている





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参照:WHICH COMES FIRST. CARDIO OR WEIGHTS?


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