あの恐怖の「結膜浮腫」になってしまった週末は
2回目の神経学講座に参加してきました。
あいかわらずヘビーな二日間でした。
今回は、Neuromuscular Applications で
「神経筋応用」についてです。
今回も大変興味深い内容でした。
我々の筋肉を支配しているのは「神経」、
もっと正確に言うと、その親玉である「脳」なんですね。
この神経も他の細胞と同じで、細胞として生きるための
活動も行っています。
ATPというものをミトコンドリアに産生して
もらう必要があるのです。
この営みが生理範囲から越えてしまった状態を
Transneural Degeneration(TND) と表現します。
日本語に訳すと
「神経越え変性」、「継シナプス変性」、「継神経変性」と
呼ばれるそうです
(おそらく、神経同士の接続部での変性という意味なのでしょう・・・)
神経がこのTNDの状態になると、
①非常に疲れやすくなってしまう(易疲労)
②刺激に対してとても過敏になってしまう。
①の原因としては、細胞内のタンパク合成、神経伝達物質合成などの
営みが阻害されている状態なので、スタミナ不足となるわけです。
(例えば、何回も膝蓋腱反射を検査すると反射がだんだん減少してしまう。とか
瞳に光をあて続けているのに瞳孔の収縮を維持できない等)
②の原因が、とても興味深いのですが、神経細胞は「刺激」を受けることに
よって、細胞活動を活性化させています。
神経細胞が受ける刺激とは、シナプスしているとなりの細胞からの情報伝達と
なるわけです。
つまり、スタミナ不足の神経細胞は細胞活動を活性化させるために、
隣の神経から受け取る刺激に対する「閾値」を下げる=反応しやすくさせる
のです。
今まで10の刺激で反応していたのでは、足らないので、半分の5くらいの
刺激でも反応して細胞活動を続けようとします。
今までカニをつまみに日本酒を飲んでたのを、カニカマで満足しようとするわけです。
ほんのちょっとの刺激で神経が反応してしまうので、
筋肉は興奮した状態が続いてしまいます。
このような状態にある筋肉は、いくら揉んでもほぐしても
また元の状態に戻ってしまうのでしょうね。
では、「そのような状態」になっている患者さんが来たら どうすればいいのか?
キャリックさんは脳の機能に照らし合わせて治療を行っていきます。
まだまだ講義は続きますが、終わる頃には
結局、腰痛も肩コリも、原因は『脳の機能不全です』となるのか
楽しみです。
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